「ゲーム条例」 時代を先取り?
2020年04月14日放送
ICPOICPO 銭形警部はいなかった
読売新聞 3月18日掲載
ラジオ版New門 (文字起こしバージョン)
「この門をひらけば、ニュースの世界がよりクッキリ見えてくる!」ラジオ版NEW門ニュースの門。今日は、「ICPO」に関する内容です。
はい。(゚A゚;)
NEW門先月18日掲載の、「ICPO 銭形警部はいなかった」についてピックアップしてお伝えしていきます。
銭形警部ってあの、アニメ「ルパン三世」の中に出てくる、とっつぁんですよね?
「待てぇー! ルパン!」。
って、あのセリフでおなじみの、人気アニメ「ルパン三世」に登場する銭形警部ですけど、あの、本人もね「ICPOの銭形だ」と名乗っているとおり、国際刑事警察機構(ICPO=通称インターポール)に所属している設定なんですけど、
ええ。
あの、今年1月に中東レバノンに逃亡した日産自動車の前の会長・カルロス ゴーン被告を国際手配して、ICPOが注目を浴びました。
はい。
そんな、ICPOとはいったいどんな組織なんでしょうか。
国際的に悪い人を捕まえるっていうようなイメージがありますけれども、実際はどうなんですかね。
実はね、ICPOには逮捕権はなくて、銭形警部のように、犯人を追って世界中を駆け回る職員も存在しないそうなんです。
そうなんですね!Σ(・ω・ノ)ノ
ICPOの歴史を振り返ると、1914年、国際化する犯罪に危機感を抱いた14の国の警察官らが会議を開いて
はい。
国際組織が必要なのかどうか協議をして、その後、ICPOの前進となる組織がオーストリアにできたんです。
はい。
そして第二次大戦後はフランスが主導権を握って、1956年にICPOとなりました。現在も本部はフランスにあります。
そうなんですね。
けっこう、多くの国や地域が加盟しているということなんですか?
そうなんですよ。日本も含めて194の国や地域の警察組織が加盟しています。
はい。
職員は、おととし年末時点で1,000人近くいまして、日本からも警察官6人が派遣されています。
へー。
ちなみに通称名の「インターポール」というのは、
はい
電信用の宛名「international police」の造語なんですね。
へー。そうなんですね。でもあの逮捕権はないというお話でしたが、実際の任務っていうのはどのようなものなんですか?
これね、ひとことでいうと、各国の後方支援になります。
はい。
地味な事務作業も多くて、海外逃亡した容疑者を国際手配したりとか、
はい。
指紋やDNA、盗まれたパスポートの情報などをデータベースにして、加盟国に提供しています。
実際の捜査はあくまでも各国の警察機関が担うそうです。
なるほど。でも、加盟している国や地域がたくさんあって、大変そうですよね?
はい。加盟している国には、それぞれ「国家中央事務局」とよばれる窓口が置かれてまして、
ええ。
日本では警察庁が指定されているんですけど、おととし警察庁がICPOを通じて情報を送受信した件数、実におよそ7万5000件だそうです。
そんなに膨大な情報をどうやってやりとりしているんですかね。
このやりとりに使うのは、すべての加盟国を常時つないでいる通信システムで、
はい
「1週、7日間、24時間ずっと」を意味する「I-24/7(アイ トゥエンティフォー セブン)」と呼ばれています。
へー。(´・∀・`)
ほかにも直接電話をしたりとか、職員を出張させることもあるそうです。
でもまあ、犯罪で「国際手配」とひとくちに言ってもですね、
はい。
色々なパターンだったり、犯罪の種類があってややこしそうだなと思うんですけれども、
そうですね
何か情報を区別する工夫っていうのはあるんでしょうかね。
あるんですよ。実はね、ICPOが行う国際手配は9種類、9つありまして、
ええ。
「赤」、「青」、「緑」、「黄色」、「黒」、「紫」など、主に色で区別されているんです。
色なんですね。
そして例えば、ゴーン被告に出されたのは「赤」
はい。
でして、この赤の国際手配というのは、容疑者の所在の特定や身柄拘束を求めるもので、ICPOのホームページで、赤の種類で手配されている面々を検索できます。
へー。国際手配ってICPOにどうやって申請されるんですか?
はい。
国際手配を申請、お願いするときは、ICPOのデータベースに、容疑者の情報や犯罪の事実、法的な根拠などを入力して、顔写真や指紋も添付して送信します。
はい。
審査を経て、早ければ2、3日後に国際手配されるそうです。
はい。
なお、日本の場合、この赤の国際手配は、死刑または無期、もしくは長期3年以上の懲役、もしくは禁固にあたる犯罪に対して申請をしているそうです。
かなり重いっていうことですよね。
そのようですね。
国際手配されたら、手配を受けた国は、一生懸命その容疑者を拘束しようとするわけですか。
そういうイメージありますよね。
はい
ただ、強制力はないので、手配を受けた後の対応というのは、各国の判断に委ねられているそうです。
そうなんですね。
それなので、国際手配はされても容疑者が拘束される保証がない点は課題と言えそうです。
でも今は、国際的な犯罪も多い印象がありますから、
はい。
ICPOには頑張ってもらいたいですよね。
そうですね。国際犯罪が複雑になって、サイバー犯罪の脅威も増しています。
はい。
そこでICPOは2015年に各国のサイバー捜査を支援する新しい拠点をシンガポールに作りました。
はい。
ここではウイルスの解析とか違法サイトの監視、捜査機関向けのトレーニングを行っているそうです。
んー。
また、大規模なテロや災害が発生した場合は、現地に即応チームも派遣します。
例えば去年の1月にケニアのナイロビで武装集団が高級ホテルなどが入った建物を襲撃した事件では、
はい。
即応チームが36時間以内に現地入りして、被害者の確認、押収物の解析などを行っています。
へー。サイバー犯罪とかテロとか災害とか、ICPOの活動も幅広くて大変ですね。
ねー。それだけに、活動資金、お金も必要になりますけれど、ICPOの主な活動資金は、加盟国が払っている分担金で、
はい。
昨年の予算91億円の8割がこの分担金だそうです。
それぞれの国がいくらくらいずつ負担するかの割合は、国連の分担金の割合というのが参考になっていて、
ええ。
日本は去年の支出額がおよそ9億円です。
んー。(-ω-;)
これはアメリカに次いで世界第2位なんです。
そうなんですね。Σ(・ω・ノ)ノ
その一方で国民総所得が低い109の国や地域は、一律220万円程度ですから、少しぐらい日本に特典があってもよさそうですけれども、
うんうんうん。(*^ヮ^*)
警察幹部によれば、特典、特別扱いは特にないそうです。
そうですよね。
しっかりとICPOの役割を進めていけるように、そのお金をうまく使ってほしいなとも思いますね。
そうですね。