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2021年03月23日放送

たばこ

改正健康増進法は全面施行だが、国会内には専用室…永田町の喫煙対策は煙ったまま

読売新聞2月19日掲載

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ラジオ版New門 (文字起こしバージョン)

この門を開けばニュースの世界がくっきり見えてくる。ラジオ版NEW門ニュースの門です。今回のテーマは「たばこ」です。NEW門先月19日掲載の「改正健康増進法は全面施行だが、国会内には専用室…永田町の喫煙対策は煙ったまま」についてピックアップしてお伝えしていきます。

最近は、禁煙の場所が一段と増えた印象がありますね?

そうですねー。
受動喫煙対策を強化する改正健康増進法が今年度から全面施行されています。
中央省庁も屋内完全禁煙となったり、禁煙の場所も増えた印象なんですけれど、一方で、国会内ではあちらこちらに喫煙専用室があって、議員たちがたばこの煙をくゆらせているという状況というのもあるんです。

はい。

健康志向の高まりでたばこを吸う政治家が減ったとはいえ、永田町の対策は煙ったままといえそうなんです。

そうなんですね。「喫煙専用室」というのがあるんですね?

はい。第204通常国会が召集された今年1月18日の国会議事堂では、衆院本会議の予鈴が鳴り響く中、本会議場の入り口横にある喫煙専用室に議員たちが次々と駆け込んでいきました。この本会議前の一服というは、愛煙家にとって「英気を養う貴重なひととき」となっているようなんです。

うーん。

衆参両院の事務局によりますと、こうした国会内の喫煙専用室は、各議員の事務所が入る議員会館も含めて、あわせて79か所あるそうなんです。

けっこうな数あるんですね。

ええ。2018年7月に成立した改正健康増進法に基づいて、国会は昨年4月から、飲食店や会社などと同じように「原則屋内禁煙」となりました。

はい。

ただし、煙が外に漏れない喫煙専用室があれば喫煙することができます。

なるほど。

屋外も含めて「敷地内禁煙」となり、屋内は完全禁煙とした学校や病院、行政機関などに比べると規制は緩くなっているんです。

はい。

で、当初、厚生労働省が示した案では、国会も含めた「官公庁」全体が屋内完全禁煙だったんですけれども、法案の提出時には、国会は含めない、「行政機関」という表現に変わったんです。

はい。

これはたばこを吸う議員に配慮した妥協の産物とも言われまして、

ええ、ええ。

規制推進派のある議員は「国会は行政機関ではなく、『議決機関』だという理屈で区別されてしまった」と振り返っているんです。

そうなんですね。国会議員に配慮したようにも受け取れそうですよね?

うーん。これ、確かにかつての政治家は、たばこのイメージがついて回っていて、大物政治家には愛煙家が多くいまして、葉巻をくわえた吉田茂元総理の写真は有名です。

はい。

国会でも、衆参の本会議場での喫煙は規則で禁止されていたんですが、委員会室での喫煙というのは野放し状態だった時期もあったんです。しかし近年は、健康被害などを考慮して、たばこを吸う政治家も減りつつあります。

うーん。

それでも、与野党ともベテランを中心に愛煙家はなお多くいまして、たばこに関する複数のグループが存在しています。

グループ?

はい。代表的な一つが葉タバコ農家とたばこ販売者の生活を守って、発展させることを目的に活動している、自民党たばこ議員連盟です。また、大島衆院議長を中心とした超党派の「もくもく会」というのも、喫煙の権利を主張しています。

そうなんですね。たばこを吸う人側の意見、思いもありますけれども、国会というのが気になるところですね。

そうですね。国会内の喫煙専用室について議員たちはマスクを外して話し込む姿が目に付くそうで、新型コロナウイルスの感染リスクを懸念する声も出ているそうです。1月28日の参院予算委員会では、国民民主党の伊藤孝恵氏が「密の喫煙ボックスは、国会の浮世離れぶりを象徴している」と批判しました。

受動喫煙対策も進めないといけないわけですからね。

はい。いまや、受動喫煙対策の強化は世界の潮流になっています。

はい。

国際オリンピック委員会(IOC)と世界保健機関(WHO)は、2010年に「たばこのないオリンピック」の推進で合意をしました。これ以降、五輪開催国の多くは屋内を完全禁煙にしています。対策が遅れていた日本が罰則付きの法改正にかじを切ったのも、東京オリンピック・パラリンピックの開催決定がきっかけだったんです。

はい。

しかしながら国会議員の意識改革は進んでいないようで、

ええ、ええ。

国会内は喫煙専用室以外での喫煙が禁じられたのに、議員会館の自分の部屋での違法喫煙が後を絶たないそうです。

はい。

あの立憲民主党の枝野代表は昨年8月、記者会見で問われて議員会館の自分の部屋での喫煙を認めまして、「制度を厳格に運用するという認識が甘かった」と謝罪に追い込まれました。

意識の問題なんでしょうかね?

国会議員のモラルが問われる事態に、超党派でつくる「国際基準のタバコ対策を推進する議員連盟」(会長=自民・尾辻秀久参院議員)は去年9月、衆参両院の議長宛てに違法喫煙の実態調査を求めて、国会を敷地内禁煙とするよう申し入れました。

はい。

これを受けて、衆参の議院運営委員長がそれぞれの会派に対して、国会内の喫煙ルールを周知徹底するよう要請したんですが、実態調査は見送られたんです。

実態調査が見送られてしまったんですね?

はい。愛煙家として知られる大島衆院議長は去年12月の記者会見で、「実態調査というのはどうか。申し合わせをしっかりお互いに守ることが一番大事だ」と述べるにとどめんです。

はい。

国際基準のたばこ対策を推進する議連幹事長の松沢成文参院議員(日本維新の会)は、「いまだに国会には議員の特権意識が残っている。国民に禁煙をお願いする立場の議員こそ、範を示すべきだ」と指摘しています。

確かに説得力にも関わってきそうな話ですよね。

そうなんですよね。国会には小中学生ら多くの参観者が訪れますし、大半の公共施設が屋内完全禁煙となる中で、国会が特別扱いされたことに首をかしげる国民は多いようです。ルールを守れない議員の喫煙にも厳しい目が向けられそうです。

今回は、たばことか喫煙の話題でしたけど、これ、他のことにも言えることではありますよね。決まったことをちゃんと守るっていうのはね。

そうですよね。お願いするからには、まずは自分からっていう声もね、あるでしょうからね。

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